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論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE大量保有報告論評編集部公開 2025.02.25更新 2026.06.13

JPモルガン証券による大量保有報告(株式会社IHI)

JPモルガングループ7法人が合算で株式会社IHIの株式5.82%を保有する大量保有報告書を2025年2月19日に提出した。保有の中核はアセット・マネジメント部門が担う一方、証券子会社によるグループ内貸借も確認されており、保有構造の実態は単純な機関投資としては読み切れないと見るのが自然だ。

保有割合(合算)
5.82%
7法人合算
保有株数(合算)
8,999,266株
2025年2月14日時点
報告種別
大量保有報告(新規)
5%ルール初回
保有目的(記載ベース)
純投資・証券業務
記載ベース

出典:大量保有報告書(2025年2月19日提出、義務発生日:2025年2月14日)

第1章

サマリー

提出者
JPモルガン証券株式会社 ほか6法人
発行者
株式会社IHI(証券コード:7013)
報告義務発生日
2025年2月14日
提出日
2025年2月19日
株券等保有割合(合算)
5.82%
保有株数(合算)
8,999,266株
報告種別
大量保有報告書(新規)
保有目的(記載ベース)
純投資目的(アセット・マネジメント部門)および証券業務(トレーディング部門)

JPモルガングループが合算保有割合5%を超過したことにより、金融商品取引法に基づく大量保有報告書が提出された。保有目的の記載はグループ各社により異なり、資産運用目的と証券業務目的が並立している。

出典:大量保有報告書(2025年2月19日提出)

第2章

提出者とは

今回の大量保有報告書の提出者はJPモルガン証券株式会社を筆頭とするJPモルガングループの7法人である。グループは大きくアセット・マネジメント部門証券・トレーディング部門の2系統に分かれる。

アセット・マネジメント部門はJPモルガン・アセット・マネジメント株式会社(国内)およびジェー・ピー・モルガン・アセット・マネジメント(UK)リミテッド(海外)が担い、投資信託や機関投資家向けの資産運用を主業務とする。証券・トレーディング部門はJPモルガン証券株式会社(国内)、JPモルガン・セキュリティーズ・ピーエルシー(英国)、JPモルガン・セキュリティーズ・エルエルシー(米国)が担い、マーケットメイクや自己勘定取引を含む証券業務を行う。

グループ全体の運用スタイルは、長期的な資産運用ポジションと短期的なトレーディングポジションが混在する構造をとることが多く、今回の保有もその複合的な性格を反映していると見られる。

出典:大量保有報告書(2025年2月19日提出)記載情報に基づく

第3章

取得の構造

グループ7法人の保有内訳は以下のとおりである。保有の過半をアセット・マネジメント株式会社の3.03%が占めており、グループ全体の保有を主導している。

保有者名 保有株数(株) 保有割合(%)
JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社 4,683,800 3.03%
ジェー・ピー・モルガン・アセット・マネジメント(UK)リミテッド 215,000 0.14%
JPモルガン証券株式会社 1,746,236 1.13%
JPモルガン・セキュリティーズ・ピーエルシー 1,467,816 0.95%
JPモルガン・セキュリティーズ・エルエルシー 147,514 0.10%
合計 8,999,266 5.82%

出典:大量保有報告書(2025年2月19日提出)保有株数・割合は義務発生日2025年2月14日時点

また、グループ内での株式貸借取引が複数確認されている。具体的には、JPモルガン証券株式会社がJPモルガン・セキュリティーズ(UK)から30,000株を借り入れ、JPモルガン・セキュリティーズ(UK)がJPモルガン・アセット・マネジメントに50,000株を貸し出し、JPモルガン・アセット・マネジメントがJPモルガン証券に20,000株を貸し出している。グループ内貸借は信用取引や株式デリバティブ戦略と結びついている可能性があり、保有の実質的な構造を外部から把握することを困難にしている。

出典:大量保有報告書(2025年2月19日提出)貸借記載事項より

第4章

論点の整理

今回の大量保有報告から浮かび上がる論点は主に以下の3点である。

論点① 保有目的の実態
記載ベースでは資産運用目的と証券業務目的が並立しているが、グループ内貸借の存在も踏まえると、純粋な長期投資なのか短期トレーディングポジションの積み上がりなのかは判然としない。今後の変更報告書における保有株数の増減が実態把握の手掛かりとなる。
論点② グループ内貸借の透明性
グループ法人間での株式貸借が確認されており、合算保有割合と各社の実質的なエクスポージャーが乖離している可能性がある。デリバティブ取引との連動があれば、報告書上の数字が示す保有の質はさらに複雑になる。
論点③ IHIの事業環境との整合性
IHIは航空・防衛・エネルギーにまたがる重工業メーカーである。こうした事業環境下で外資系グループが5%超を形成した背景に、機関投資家としての中長期的な評価があるのか、あるいは需給的な要因が主なのかは、今後の保有動向を継続観察することで初めて判断できると見るのが自然だ。

出典:大量保有報告書(2025年2月19日提出)および旧記事記載事項に基づく論点整理

論点 → 監視

この保有を、どう追うか

変更報告・追加取得の有無を継続して記録する。保有目的に動きがあれば、企業カルテに反映する。

企業カルテで追う →

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証券コード 7013 7013

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