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論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE大量保有報告論評編集部公開 2026.06.19更新 2026.06.19

リプロセル(4978)大量保有報告 ハイツ・キャピタル 新規取得5.81%

4978 ・ 東京証券取引所グロース市場 ・ サービス業(バイオ)
大量保有報告書(新規) ・ 報告義務発生日 2026年6月11日 ・ 提出日 2026年6月18日
提出者:ハイツ・キャピタル・マネジメント(CVI Investments運用) 保有割合:5.81%
再生医療・iPS細胞関連製品の研究開発・販売および創薬支援サービスを展開するバイオベンチャー

論評

ハイツ・キャピタルがCVI Investmentsの運用資金を原資に、リプロセルへ第三者割当による株券と新株予約権を同時取得し、5.81%の保有割合を一挙に形成した。

エクイティ・プログラム契約(第17〜20回新株予約権)に基づく段階的な希薄化スキームであり、潜在株を含む実質的な影響力は開示数字を上回り得る構造だ。

保有目的は純投資と記載されており、重要提案行為等への該当はないとされているが、株式貸借や新株発行制限条項など複合的な契約関係が付随している点は記録しておく必要がある。

保有割合
5.81%
株券等保有割合(議決権ベース)
+新規取得

報告区分
新規
大量保有報告書(初回)
前回比なし

提出者属性
外国法人
米デラウェア州 投資顧問
PIPE専門型

保有目的
純投資
重要提案行為等:該当なし
投資一任契約に基づく

第1章

概要

提出者はハイツ・キャピタル・マネジメント(Heights Capital Management, Inc.、以下「ハイツ」)。米デラウェア州を本拠とする投資法人で、1996年設立。今回の保有は投資一任契約に基づきCVI Investments, Inc.(以下「CVI」)の運用資金を原資とするものであり、ハイツ自身が直接の経済的利益を享受する構造ではない。

対象会社はリプロセル(証券コード4978)。東京証券取引所グロース市場上場のバイオベンチャーで、iPS細胞関連製品の研究開発・販売および創薬支援サービスを主力とする。発行済株式総数は2026年6月11日現在98,079,891株。

本報告書は大量保有報告書(法第27条の23第1項に基づく初回報告)であり、直前の報告書に記載された保有割合の記載はない。ハイツによる保有の形成はこの1件が起点となる。

第2章

取得の状況

取得はいずれも2026年6月11日付、市場外(第三者割当)による。株券と新株予約権を同日同一スキームで取得しており、エクイティ・プログラム契約(2026年5月27日付)に基づく第1回目の発行に相当する。

種別 株数(株) 割合(%) 単価
株券(普通株式) 2,932,000 2.90 127円(第三者割当)
第17回新株予約権 2,932,000 2.90 1個133円(第三者割当)
合計(潜在株含む) 5,864,000 5.81

取得資金合計376,263千円(CVI Investments, Inc.の運用資金。自己資金・借入金なし)。保有割合はAD+AEベース(発行済株式98,079,891株+潜在株2,932,000株=101,011,891株分母)で算出。

エクイティ・プログラム契約は第17〜20回の新株予約権発行を予定しており、今回は第17回分の払込(2026年6月11日)が第1弾となる。同契約には株価連動取引制限(払込日から12か月)および発行者の追加発行制限(払込日後90日)条項が付されており、割当先CVIの同意なく発行者が新たな希薄化行為を行うことを制約している。

また、CVI Investmentsは横山周史氏との株式貸借契約に基づき、2026年6月10日付で最大500,000株の借受を約定している。貸借可能期間は2030年10月20日またはCVIがすべての新株予約権を保有しなくなる日のいずれか早い日まで。担保契約等の記載はない。

第3章

目的

保有目的は「純投資(提出者は投資一任契約に基づき投資権限を有する)」と記載されている。重要提案行為等への該当はない旨が明示されており、経営への関与や株主提案等を志向するものではないとされている。

保有目的 純投資
重要提案行為等 該当なし(明示)
共同保有者 なし(提出者1名)
担保契約等 なし(ただし株式貸借・エクイティ契約あり)
前回比の目的変更 初回報告につき変更なし

ハイツ・キャピタル・マネジメント・インクは純投資目的を標榜するが、エクイティ・プログラム契約に基づく新株予約権の段階取得・行使は、発行者の資金調達と不可分の関係にある。

なお、ハイツ(Heights Capital Management)は米国でPIPE(Private Investment in Public Equity)取引を中心に展開する投資顧問として知られており、CVIとの投資一任関係を通じた類似スキームの先行事例が国内外に複数存在する。本報告書の開示事実の範囲内に限れば、現時点で純投資の記載に反する情報はない。

第4章

論点整理

01
取得割合は+5.81%を一度に形成。株券(2.90%)と新株予約権(同2.90%)を同日に取得する構成で、潜在株を合算して初めて5%超の報告義務が生じる設計となっている。株券単体では5%未満であり、単体では報告義務が発生しない水準に抑えられている点は記録に値する。
02
エクイティ・プログラム契約には第17〜20回の新株予約権が予定されている。今回は第17回のみの払込であり、残る第18〜20回の行使・取得が進めば保有割合はさらに上昇し得る。変更報告書の提出状況を追う必要がある。
03
株式貸借(横山周史氏から最大▲500,000株上限)が別途付随する。この貸借株は保有株数の集計上は「共同保有者間の引渡請求権等として控除する株券等の数」には計上されておらず、開示された保有数には含まれていない。貸借の実質的な意味(ヘッジ手段か流動性補完か)は開示からは読み取れない。
04
発行者(リプロセル)側には払込日後90日間の追加発行制限および払込日から12か月間の株価連動取引制限が課されている。これはCVIの経済的利益を保護する条項であり、同期間中のリプロセルの資金調達の自由度を▲制約する構造となる。
05
重要提案行為等への該当なしと明記されているが、CVIはエクイティ・プログラム契約上、追加発行への参加権(プロラタ権)を保有する。経営への直接介入ではないものの、発行者の資本政策に一定の影響を及ぼす契約上の権限は保有していると見るのが自然だ。
リプロセルへのハイツ・キャピタル(CVI運用)の参入は、PIPE型エクイティ・プログラムを通じた段階的な保有拡大の端緒に位置する。第18〜20回新株予約権の取得・行使動向、ならびに株式貸借の運用実態が、今後の開示の焦点となる。

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