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論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE大量保有報告論評編集部公開 2025.10.08更新 2026.06.13

みさき投資が動いた

【結論】みさき投資によるKeePer技研株の取得は、顧客資金を背景とした組織的スチュワードシップ行動であり、重要提案行為の可能性まで明記された報告内容は、単純な財務投資の文脈に収まらないと見るのが自然だ。

保有割合
5.06%
新規報告
取得株数
1,431,000株
2025年8〜9月
報告種別
大量保有報告
新規
保有目的
重要提案行為の可能性あり
記載ベース

出典:大量保有報告書(2025年9月4日提出)、KeePer技研(証券コード:6036、東証プライム)

第1章

サマリー

2025年9月4日、みさき投資株式会社がKeePer技研(6036、東証プライム)の株式1,431,000株(保有割合5.06%)を取得したことが大量保有報告書の提出により判明した。報告書には「重要提案行為を行う可能性がある」旨が明記されており、保有目的は純粋なパッシブ保有ではなく、経営への積極的関与を視野に入れたものと記載されている。

報告日
2025年9月4日
対象銘柄
KeePer技研(6036、東証プライム)
保有株数
1,431,000株
保有割合
5.06%
報告種別
大量保有報告(新規)
保有目的(記載ベース)
重要提案行為を行う可能性あり
資金性質
顧客資金(顧客資産比率66億円超)

出典:大量保有報告書(2025年9月4日)

第2章

提出者とは

みさき投資株式会社は2013年に設立された独立系の投資助言・運用会社である。「働く株主®」をキャッチフレーズとして掲げ、日本版スチュワードシップ・コードに沿った形で、投資先企業の経営と建設的な対話を行うことを運用の軸に据える。

同社のスタンスは、単なる短期的な利益追求ではなく、経営改善へのコミットを通じた中長期的な企業価値向上に置かれていると公言されている。今回の投資においても、資金の出どころは自己勘定ではなく顧客から預かった資産であり、複数の投資家がみさき投資というプラットフォームを通じてKeePer技研に対して間接的な影響力を持つ構造となっている。

設立年
2013年
標榜スタイル
建設的対話型スチュワードシップ(「働く株主®」)
運用資金の性質
顧客資金(自己勘定ではない)
準拠規範
日本版スチュワードシップ・コード

出典:みさき投資公開情報、大量保有報告書(2025年9月4日)

第3章

取得の構造

取得は2025年8月から9月にかけて段階的に実施された。注目されるのは、市場内取引と市場外のブロック取引を組み合わせた二段構えの手法である。市場への影響を最小化しながら、節目でまとまった株数を市場外で確保するパターンが取引履歴から読み取れる。

日付 市場内取得株数 市場外取得株数 取得単価
8月某日 10,000株 5,700株 3,197円
9月10日 7,500株 2,500株 3,488円
9月12日 7,400株 3,589円
9月19日 9,700株 3,797円
9月24日 2,000株 3,726円

出典:大量保有報告書添付の取引明細(2025年9月4日)

取得資金はすべて顧客資産であり、自己勘定投資ではない。この点は、みさき投資が「複数の顧客投資家の意思を束ねた集合的株主行動」として本件投資を実行していることを意味し、組織的スチュワードシップとしての性格を鮮明にしている。

第4章

論点の整理

本件大量保有報告が提起する論点を以下に整理する。

論点① 関与の本気度
報告書に「重要提案行為の可能性」が明記された事実は、配当政策・資本政策・経営方針に対して直接意見を表明する余地を明示的に留保したことを意味する。対話が実質化するか、形式にとどまるかが継続注視点となる。
論点② 顧客資金による集合的影響力
今回の投資は自己勘定ではなく顧客資金で賄われている。複数の投資家がみさき投資というプラットフォームを介してKeePer技研に影響を及ぼす仕組みであり、影響力の実質的な担い手が誰であるかという透明性の問題を内包する。
論点③ 地方発成長企業とガバナンス外圧の接点
KeePer技研は名古屋を拠点に全国へカーコーティング店網を展開する地方発の成長企業である。拡大局面におけるガバナンス整備の成熟度が問われる段階に、外部株主の組織的関与が加わることは、企業の意思決定構造に対して新たな変数を加える。成長加速の触媒となるか、内部との緊張関係を生むかは、今後の対話の質による。

出典:大量保有報告書(2025年9月4日)、各種公開情報をもとに論評編集部が整理

「働く株主」として伴走者を標榜する運用体制が、実態としてどの程度の経営関与を行使するか。その答えは今後の変更報告書と企業側の開示の中に現れてくると見るのが自然だ。

論点 → 監視

この保有を、どう追うか

変更報告書の追加取得・縮小の有無を継続して記録する。保有目的の記載に動きがあれば、企業カルテに反映する。

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