証券コード 4443 ・ 東証プライム ・ 情報・通信業
第13期(連結)会計期間:2025年6月1日~2026年5月31日 ・ 従業員数2,336名(連結)
総資産549億58百万円 売上高537億61百万円 純資産210億94百万円
クラウド名刺管理・請求書処理サービス「Sansan」「Bill One」を主力に、名刺アプリ「Eight」も展開する法人向けDXプラットフォーム企業。
論評
Sansanは2026年5月期、売上高537億61百万円(前期比+24.4%)、営業利益81億85百万円(同+192.3%)と大幅な増収増益となった。
親会社株主に帰属する当期純利益は67億78百万円(前期4億24百万円)に急拡大しており、Sansan・Bill One事業の営業利益が83億40百万円(前期35億81百万円)と大きく伸長した。
2026年7月13日の取締役会で、上場後初となる期末配当を1株当たり2円50銭(配当金総額3億15百万円)とすることを決議している。
収益性(営業利益率)
15.22%
営業利益÷売上高
資産効率(ROE)
36.5%
期中平均純資産ベース
財務余力(自己資本比率)
36.4%
前期末31.2%
第1章
業績ハイライト
売上高
53,761百万円(前期43,202百万円、+24.4%)
営業利益
8,185百万円(前期2,800百万円、+192.3%)
親会社株主に帰属する当期純利益
6,778百万円(前期424百万円、+1,498.6%)
営業活動によるキャッシュ・フロー
9,641百万円(前期9,651百万円、ほぼ横ばい)
経常利益は81億70百万円(前期比+197.8%)。セグメント別ではSansan・Bill One事業の営業利益が83億40百万円(前期35億81百万円)と大きく伸びる一方、Eight事業は2億37百万円(前期63百万円)にとどまる。
第2章
財務の構造
総資産
54,958百万円(前期末47,984百万円、+14.5%)
純資産
21,094百万円(前期末16,040百万円、+31.5%)
自己資本比率
36.4%(前期末31.2%、+5.2pt)
有利子負債の動き
長期借入金の返済11億94百万円を実施
現金及び現金同等物
36,849百万円(前期末31,172百万円、+18.2%)
純資産の増加は主に当期純利益6,778百万円の計上による。投資CFでは関係会社株式の売却により14億36百万円の利益を計上する一方、財務CFでは連結範囲の変更を伴わない子会社株式の追加取得に14億65百万円、自己株式の取得に7億41百万円を投じている。
第3章
CFと利益の質
両期とも営業CFが純利益を大きく上回る健全な構図(▲bronze)を維持している。前受金の増加や仕入債務・その他資産の動きが両期の営業CFを支えており、純利益の急拡大に対して営業CF自体はほぼ横ばいで推移した。
第4章
業績予想・配当
配当については、これまで安定的かつ継続的な事業成長を実現し構造的に利益成長が加速するフェーズにあると判断し、当連結会計年度において初めて配当を実施することとした。2026年7月13日の取締役会で、期末配当を1株当たり2円50銭(配当金総額3億15百万円)とすることを決議している。当面は自己株式の取得を株主還元の中心的な手段と位置付けつつ、配当との最適な組み合わせを検討していく方針。次期の数値業績予想については、本書の範囲では確認できない。
第5章
資本効率と株主還元
ROE(期中平均純資産ベース)
36.5%(前期2.8%)
自己株式取得
7億41百万円(2026年5月20日~6月18日実施、前期2億99百万円)
配当
上場後初の期末配当2円50銭(総額3億15百万円)
主なM&A関連
関係会社株式の売却による収入21億57百万円・利益14億36百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の追加取得14億65百万円
第6章
論点整理
01親会社株主に帰属する当期純利益は前期の4億24百万円から67億78百万円へと急拡大し、Sansan・Bill One事業の収益性向上が業績を牽引している。
02上場後初となる配当を実施しており、構造的な利益成長フェーズへの移行を背景に、自己株式取得と配当を組み合わせた株主還元へ舵を切りつつある。
03営業CFは純利益の急拡大に対してほぼ横ばいで推移しており、前受金・その他資産等の運転資本要因が両期の水準を規定している点は留意しておきたい。
論評編集部は、開示された事実の範囲で本件を記録する。次期の業績動向や株主還元方針の具体化については、続報が提出され次第、改めて確認する。