FILE SYSTEM ACTIVE
LAST UPDATE 2026.07.24 23:25
NO INVESTMENT ADVICE
論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE決算分析論評編集部公開 2025.04.23更新 2026.06.13

ラストワンマイル【中間決算分析】

ラストワンマイルは2025年2月期中間において売上収益41.6%増・営業利益155.3%増を達成し、M&Aによる子会社貢献と非中核事業の売却によってポートフォリオの集中が進む局面にあると見るのが自然だ。

売上収益
74.1億円
前年比 +41.6%
営業利益
7.0億円
前年比 +155.3%
最終利益
4.3億円
前年比 +141.2%
自己資本比率
39.8%
前期末 34.3%

出典:ラストワンマイル 2025年2月期中間決算短信(会社公表資料)

第1章

3期推移と収益構造の変化

2025年2月期中間(上期)の主要業績は下表のとおり。売上収益は前年同期比41.6%増の74.1億円、営業利益は同155.3%増の7.0億円と大幅な増収増益を記録した。最終利益も4.3億円(+141.2%)と拡大し、EPSは136.08円(前年同期:66.43円)へ倍増している。自己資本比率は39.8%と前期末の34.3%から改善しており、財務健全性の向上も確認できる。連結子会社キャリアおよびSHCの貢献が増収の主因であり、M&Aによる非連続成長が数値に表れている。

指標 2025年2月期 中間 前年同期比
売上収益 74.1億円 +41.6%
営業利益 7.0億円 +155.3%
税引前利益 7.0億円 +160.6%
最終利益 4.3億円 +141.2%
EPS 136.08円 前年同期 66.43円
自己資本比率 39.8% 前期末 34.3%

出典:ラストワンマイル 2025年2月期中間決算短信

第2章

事業再編の構造:M&AとPBS売却の意義

今期の業績拡大の背景には、M&Aを通じた事業領域の拡充と、非中核事業の整理という二方向の動きがある。取得した子会社はいずれも集合住宅向けISP・コールセンター特化型の事業体であり、本業との親和性が高い。一方でPBSを外部に譲渡することで、収益貢献が限定的な領域を切り離し、成長領域への資源集中を図った。

キャリア社(2023年取得)
集合住宅向けISP・コールセンター特化型事業体
SHC(2024年取得)
同上業態。のれん1.8億円を計上
PBS譲渡(2025年3月)
プレミアムウォーターHDへ売却。売却額:約6,600万円
売却の目的
収益貢献が限定的な事業のスリム化。成長領域への集中を図る

出典:ラストワンマイル 2025年2月期中間決算短信および会社公表資料

第3章

同業比較:収益性指標の位置づけ

旧記事に記載された同業各社との比較を以下に整理する。売上成長率・営業利益率・ROEの3軸で見ると、ラストワンマイルは成長率と収益性のバランスで一定の存在感を示している。ただし、同業他社のデータは会社側が開示した比較資料ではなく、旧記事記載の推定値であることに留意が必要だ。

企業名 売上成長率 営業利益率 ROE(推定) 特記
ラストワンマイル +41.6% 約9.5% 約20% 高成長と利益率を両立
プレミアムウォーター +7〜10% 約6% 15%前後 定額モデルで安定、シェア維持
GMOグローバルサイン +12% 約18% 約10% SaaS通信モデル、競争激化
USEN-NEXT +6〜8% 約11% 約9% 法人ISPの老舗、事業多角化

出典:旧記事掲載の推定値。各社公表資料との照合を要する

第4章

キャッシュフローとの整合

営業CFは前年同期の0.7億円から1.0億円へわずかに拡大し、黒字基調を維持している。投資CFは前年同期の▲5.1億円(M&A支出)からPBS売却益を受けて+1.5億円へ転換した。財務CFは借入返済4.5億円・自己株取得0.8億円の合計により▲5.7億円となっており、前年同期の+6.3億円(借入調達局面)から対照的な構造となっている。

CF区分 2025年2月期 中間 前年同期
営業CF +1.0億円 +0.7億円
投資CF +1.5億円 ▲5.1億円
財務CF ▲5.7億円 +6.3億円
現金等期末残高 21.4億円(前期末比▲3.8億円)

出典:ラストワンマイル 2025年2月期中間決算短信

財務CFのマイナス主因は借入返済と自己株取得であり、M&Aで積み上げた負債の圧縮フェーズに移行しつつあると読める。投資CFのプラス転換はPBS売却という一時的要因によるものであり、恒常的なキャッシュ創出との切り分けが必要と見るのが自然だ。

第5章

論点の整理

今期の業績・財務・事業構造から浮かび上がる論点を3点に整理する。

論点① M&A統合効果の持続性
キャリア・SHCの業績貢献が今後も継続するか。のれん1.8億円(SHC)の償却負担と実収益の整合性、顧客単価・LTVの開示状況が評価軸となる。
論点② 営業CFの構造的改善余地
営業CFは+1.0億円と黒字ながら、最終利益4.3億円との乖離が大きい。税引前利益と営業CFの差分については、運転資本の変動や非現金費用の内訳の精査が必要だ。
論点③ 事業ポートフォリオの方向性
PBS売却により非中核のスリム化は一歩進んだ。今後の追加M&Aの対象領域、またはオーガニック成長へのシフト有無が、中期的な収益構造の変化を占う鍵となる。

出典:論評編集部による構造分析。数値はラストワンマイル 2025年2月期中間決算短信に基づく

M&A統合と財務規律の両立が現局面の中心課題であり、次の開示サイクルで統合効果の詳細が示されるかどうかが分岐点になると見るのが自然だ。

論点 → 質問状

この決算を、どう追うか

M&A子会社の個別収益貢献・のれん償却の進捗、営業CFと利益の乖離要因、PBS売却後の事業構成比の変化を継続して記録する。次期以降の開示内容に論点への回答があるか検証する。

企業カルテで追う →

RELATED FILES

証券コード 9252(9252)のファイル

企業カルテ

証券コード 9252 9252

SRF・保有状況・質問状を集約

カルテを開く →

RELATED FILES

2026.07.17決算分析

日本毛織株式会社 2026年11月期 中間期決算分析

証券コード 3201 ・ 東証プライム ・ 繊維製品 第一種中間連結会計期間:2025年12月1日~2026年5月31日(2026年11月期・中間) 総資産1,953億円 売…

公開 2026.07.17
2026.07.15決算分析

オーエスジー株式会社 2026年11月期 中間期決算分析

証券コード 6136 ・ 東証プライム/名証プレミア ・ 機械 第一種中間連結会計期間:2025年12月1日~2026年5月31日(2026年11月期・中間) 総資産2,79…

公開 2026.07.15
2026.07.14決算分析

丸八倉庫株式会社 2026年11月期 中間期決算分析

証券コード 9313 ・ 東証スタンダード ・ 倉庫・運輸関連業 第一種中間連結会計期間:2025年12月1日~2026年5月31日(2026年11月期・中間) 総資産206…

公開 2026.07.14
2026.07.14決算分析

キユーピー株式会社 2026年11月期 中間期決算分析

証券コード 2809 ・ 東証プライム ・ 食料品 第一種中間連結会計期間:2025年12月1日~2026年5月31日(2026年11月期・中間) 総資産4,861億円 売上…

公開 2026.07.14