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論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE決算分析論評編集部公開 2026.09.17更新 2026.09.17

株式会社キングジム 2026年6月期 決算分析

証券コード 7962 ・ 東証プライム ・ その他製品
会計期間:2025年6月21日~2026年6月20日 ・ 従業員数1,661名(連結)
総資産373億52百万円 売上高391億35百万円 純資産262億33百万円
「テプラ」「ポメラ」を主力とする文具事務用品事業を中核に、ラドンナ・ぼん家具等を傘下に持つライフスタイル用品事業を展開する。

論評

キングジムは2026年6月期、売上高391億35百万円(前期比▲1.3%)とわずかに減収となったが、売上総利益率の改善(同+1.1pt)と販管費率の改善(同▲0.4pt)により、営業利益は11億29百万円(同+109.9%)と大幅な増益となった。

親会社株主に帰属する当期純利益は10億44万円(同+135.4%)に達し、政策保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益1億79百万円も寄与した。3期前に純損失を計上して以降、5期を通じて着実な収益回復が続いている。

一方、第11次中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)の最終年度目標は、M&A案件の未成約やサービス事業の立ち上げ遅れ、想定を上回る為替変動の影響を踏まえ、売上高520億円・経常利益28億円から売上高420億円・経常利益16億20百万円へ下方修正されている。

収益性(営業利益率)
2.88%
前期比+109.9%増益
資産効率(ROE)
3.98%
期中平均純資産ベース
利益の質
2.11
営業CF÷純利益
財務余力(自己資本比率)
70.0%
前期67.5%
第1章

業績ハイライト

売上高
39,135百万円(前期39,640百万円、▲1.3%)
営業利益
1,129百万円(前期538百万円、+109.9%)
親会社株主に帰属する当期純利益
1,000百万円(前期425百万円、+135.4%)
営業活動によるキャッシュ・フロー
2,114百万円(前期1,469百万円、+44.0%)

経常利益は15億11百万円(同+80.7%)。セグメント別では文具事務用品事業が売上高249億3百万円(同▲1.1%)・営業利益6億60百万円(同+72.6%)、ライフスタイル用品事業が売上高142億32百万円(同▲1.6%)・営業利益4億51百万円(同+243.5%)と、両事業とも減収ながら大幅増益を確保した。海外事業では中国・ベトナムを中心に販売が好調に推移し、売上高が大きく伸長している。

第2章

財務の構造

総資産
37,352百万円(前期末35,513百万円、+5.2%)
純資産
26,233百万円(前期末24,052百万円、+9.1%)
自己資本比率
70.0%(前期末67.5%、+2.5pt)
有利子負債の動き
短期借入金の純減10億40百万円、長期借入金の返済4億38百万円
現金及び現金同等物
6,364百万円(前期末6,399百万円、▲0.6%)

総資産の増加は投資有価証券や退職給付に係る資産の増加による。負債は短期・長期借入金の減少により3億41百万円縮小した。純資産の増加は利益剰余金・その他有価証券評価差額金・為替換算調整勘定の増加が主因。

第3章

CFと利益の質

両期とも営業CFが純利益を上回る健全な構図にある。前期は純利益4億25百万円に対し営業CF14億69百万円、当期は純利益10億円に対し営業CF21億14百万円で、前期比+6億45百万円増加した。法人税等の支払4億67百万円があった一方、税金等調整前当期純利益16億34百万円・減価償却費6億49百万円が営業CFを支えている。財務CFは短期借入金の純減10億40百万円等により18億77百万円の支出(前期は1億76百万円の収入)となった。

第4章

業績予想・配当

第11次中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)の最終年度目標は、当初の売上高520億円・経常利益28億円・経常利益率5.4%・ROE8.0%から、M&A案件の未成約やサービス事業の立ち上げ遅れ、想定を上回る為替変動の影響を踏まえ、売上高420億円・経常利益16億20百万円・経常利益率3.9%・ROE4.0%へ下方修正されている。配当については、配当性向40%以上を基準とし、当期は1株当たり普通配当15円(中間配当7円・期末配当8円)を予定している。

第5章

資本効率と株主還元

ROE(期中平均純資産ベース)
3.98%
EPS
35.54円(前期15.12円)
主要販売先
エコール流通グループ(構成比11.2%)、アスクル(構成比10.6%)
配当
年間15円予定(中間7円・期末8円、配当性向目標40%以上)
主な特別損益
政策保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益1億79百万円
第6章

論点整理

01売上総利益率・販管費率の両面での改善が進み、減収下でも営業利益は+109.9%と大幅増益となった。3期前の純損失から続く回復基調が定着しつつある。
02第11次中期経営計画の最終年度目標は大幅に下方修正されており、M&A案件の未成約やサービス事業の立ち上げ遅れが要因として明記されている。
03海外事業(中国・ベトナム)が業績を牽引する一方、国内のライフスタイル用品事業では傘下の㈱ぼん家具が引き続き厳しい事業環境にある。

論評編集部は、開示された事実の範囲で本件を記録する。中期経営計画の進捗やM&A戦略の具体化については、続報が提出され次第、改めて確認する。

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株式会社キングジム 7962

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