FILE SYSTEM ACTIVE
LAST UPDATE 2026.10.15 16:06
NO INVESTMENT ADVICE
論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE決算分析論評編集部公開 2026.10.14更新 2026.10.14

株式会社BlueMeme 2026年3月期 決算分析

重要度:中(会計不正の遡及訂正を伴う決算)

証券コード 4069 ・ 東証グロース ・ 情報・通信業
会計期間:2025年4月1日~2026年3月31日 ・ 従業員数184名(連結)
総資産43億42百万円 売上高32億98百万円 純資産25億15百万円
ローコード開発プラットフォーム「OutSystems」を軸に、独自開発方法論「AGILE-DX」を用いたシステム開発内製化支援・レガシーシステムのオープン化を手がけるDX事業の単一セグメント企業。

論評

BlueMemeは2026年3月期、売上高32億98百万円(前期比+39.5%)、経常利益51百万円(同+78.3%)と大幅な増収増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も24百万円(前期は10百万円の純損失)と黒字転換した。

一方、2020年3月期に端を発する不正な財務報告が判明し、過年度に遡及して訂正を行ったこと、2025年12月に端を発する長期大型プロジェクトの品質管理問題に対応した受注損失引当金を計上したことが、本決算の背景として明記されている。特別損失には投資有価証券評価損29百万円に加え、調査関連費用7百万円が計上されており、不正調査にかかるコストが利益を圧迫した。

税金等調整前当期純利益は13百万円(前期比▲53.7%)で、経常段階の大幅増益とは対照的に、特別損益を通過した段階では大きく目減りしている点は区別して見る必要がある。

収益性(営業利益率)
1.44%
同業他社と比べ低水準
資産効率(ROE)
0.97%
期中平均純資産ベース
利益の質
2.40倍
営業CF÷純利益
財務余力(自己資本比率)
56.6%
前期64.1%

過去5期推移(連結)

売上高
1,936 → 2,301 → 2,481 → 2,365 → 3,299(百万円)
経常利益
354 → 365 → 249 → 29 → 52(百万円、三期前から急減速し当期は持ち直し)
純利益
257 → 268 → 171 → ▲10 → 25(百万円、前期に一度赤字転落)
自己資本比率
70.7% → 74.6% → 69.3% → 64.1% → 56.6%(5期連続で低下)
従業員数
91 → 110 → 135 → 166 → 184名(5期連続増員)

四期前・三期前は経常利益3.5億円台の水準だったが、前々期以降急減速し前期は一時29百万円まで落ち込んだ。当期の経常利益52百万円は数字の上では回復だが、ピーク時の7分の1程度の水準にとどまる。自己資本比率は5期連続で低下しており、増員を伴う事業拡大と財務体力の消耗が同時進行している。

同業他社との横比較(論評既出・情報サービス業)

BlueMeme(4069)当期
営業利益率1.44%/自己資本比率56.6%
CIJ(4826)2026年6月期
営業利益率8.90%/自己資本比率77.3%
東海ソフト(4430)2026年5月期
営業利益率11.21%/自己資本比率61.8%
インテリジェント ウェイブ(4847)2026年6月期
営業利益率12.03%/自己資本比率58.1%

論評既出の同業4社の中では、BlueMemeの営業利益率1.44%は突出して低い。他3社がいずれも二桁台(8.9〜12.0%)を確保する中、BlueMemeは受注損失引当金の計上と調査関連費用の発生が利益率を押し下げた形で、増収の勢いが利益に十分転化できていない。自己資本比率も4社中最低水準にある。

第1章

業績ハイライト

売上高
3,298百万円(前期2,365百万円、+39.5%)
営業利益
47百万円(前期39百万円、+19.4%)
親会社株主に帰属する当期純利益
24百万円(前期は10百万円の損失、黒字転換)
営業活動によるキャッシュ・フロー
59百万円(前期は348百万円の支出、黒字転換)

経常利益は51百万円(同+78.3%)。ローコード開発プラットフォーム「OutSystems」のライセンス販売が堅調に推移したことに加え、大規模プロジェクトの受注進捗が売上を押し上げた。受注高は50億77百万円(前期比+86.4%)と大きく伸びた一方、受注残高は7億95百万円(同▲33.4%)に減少しており、積み上がった受注を当期に消化した格好。主要販売先は三協立山株式会社(構成比10.6%、同社は2026年8月期決算で論評に既出)。2025年6月には株式会社アルターデザインコンサルティングを新設し、AI関連事業基盤の強化を図っている。

第2章

財務の構造

総資産
4,342百万円(前期末3,900百万円、+11.3%)
純資産
2,515百万円(前期末2,520百万円、ほぼ横ばい)
自己資本比率
56.6%(前期末64.1%、▲7.5pt)
有利子負債の動き
長期借入金23百万円減少
現金及び現金同等物
1,695百万円(前期末1,706百万円、ほぼ横ばい)

流動資産は売掛金及び契約資産の増加4億58百万円により3,831百万円(前期末比+364百万円)に拡大。負債は買掛金の増加2億50百万円・未払法人税等の増加27百万円等により18億26百万円(同+446百万円)に増加した。純資産がほぼ横ばいなのに対し総資産が11.3%増加したため、自己資本比率は7.5pt低下している。純資産減少の一因は自己株式の買付。

第3章

CFと利益の質

営業CFは前期の3億48百万円の支出から当期は59百万円の収入へ黒字転換した。仕入債務の増加2億50百万円が資金を押し上げた一方、売上債権の増加4億58百万円・法人税等の支払7百万円が圧迫要因となった。前期の大幅な資金流出から一転し、純利益24百万円を上回る営業CFを確保している点は、財務諸表の訂正・引当金計上という逆風下でも実際の資金繰りには大きな破綻がなかったことを示している。

第4章

業績予想・配当

会社は売上高・営業利益を経営指標と位置付け、当連結会計年度終了時点の目標を売上高26億円・営業利益30百万円としていたが、実績は売上高32億98百万円・営業利益47百万円といずれも上回った。配当については、内部留保の確保を優先し過去に配当実施の実績はなく、実施の可能性及び時期は現時点で未定としている。次期の数値業績予想については本書の範囲では確認できない。

第5章

資本効率と株主還元

ROE(期中平均純資産ベース)
0.97%
EPS
7.36円(前期▲3.07円)
受注動向
受注高50億77百万円(+86.4%)、受注残高7億95百万円(▲33.4%)
配当
無配継続(実施可否・時期とも未定)
第6章

論点整理

012020年3月期に端を発する不正な財務報告が判明し過年度から遡及訂正したこと、2025年12月発覚の大型プロジェクト品質管理問題による受注損失引当金の計上という、2つの異なる性質のネガティブ要因が同一決算期に重なっている。
02同業の情報サービス企業(CIJ・東海ソフト・インテリジェント ウェイブ)と比べ、営業利益率1.44%は際立って低い水準にあり、増収の勢いに比して収益性の確立はまだ道半ばにある。
03受注高が前期比+86.4%と大きく伸びる一方、受注残高は▲33.4%と減少しており、積み上がっていた大型案件を当期に消化した可能性がある。次期の受注動向が成長持続のカギとなる。

確認できていない論点

?2020年3月期に端を発する不正な財務報告の具体的な内容(誰が・どの勘定科目で・どの程度の規模か)は、本書の抜粋範囲からは特定できない。別途開示される調査報告書等の確認が必要。
?2025年12月発覚の大型プロジェクト品質管理問題が、特定の大口顧客案件なのか、構造的な開発体制の問題なのかは本書からは判別できない。
?受注残高が前期比▲33.4%と大きく減少した理由(大型案件の完了によるものか、新規受注の鈍化によるものか)は明記されていない。

論評編集部は、開示された事実の範囲で本件を記録する。不正な財務報告の詳細や品質管理問題の収束状況については、続報が提出され次第、改めて確認する。

RELATED FILES

株式会社BlueMeme(4069)のファイル

企業カルテ

株式会社BlueMeme 4069

関連記事・ファンド・質問状の記録をたどる

カルテを開く →

RELATED FILES

2026.10.15決算分析

追跡:BlueMeme(4069)不正会計の全容が判明

重要度:高(経営者不正の認定・代表者交代) 答え合わせ 2026年9月30日付の決算分析記事で「確認できていない論点」とした不正会計の具体的な内容について、特別調査委員会の調…

公開 2026.10.15
2026.09.18決算分析

株式会社タウンニュース社 2026年6月期 決算分析

証券コード 2481 ・ 東証スタンダード ・ サービス業 会計期間:2025年7月1日~2026年6月30日 ・ 従業員数187名 総資産64億63百万円 売上高39億87…

公開 2026.09.18
2026.09.18決算分析

株式会社インテリジェント ウェイブ 2026年6月期 決算分析

証券コード 4847 ・ 東証プライム ・ 情報・通信業 会計期間:2025年7月1日~2026年6月30日 ・ 従業員数534名 総資産173億33百万円 売上高172億4…

公開 2026.09.18
2026.09.17決算分析

株式会社ユーザーローカル 2026年6月期 決算分析

証券コード 3984 ・ 東証プライム ・ 情報・通信業 会計期間:2025年7月1日~2026年6月30日 ・ 従業員数121名 総資産111億80百万円 売上高53億43…

公開 2026.09.17