追跡:BlueMeme(4069)不正会計の全容が判明
重要度:高(経営者不正の認定・代表者交代)
論評
BlueMemeの特別調査委員会は、2020年3月期に計上された取引先a1社向けソフトウェアライセンス売上3,000万円について、当時の代表取締役社長(以下「Z氏」)と執行役員経営管理部長(以下「D氏」)による証憑の意図的な隠蔽を原因とする不正な財務報告に該当すると認定した。
委員会の認定によれば、このライセンス契約は実質的に無償の使用許諾であり、Z氏はa1社に対して個人名で、売上代金相当額を業務委託費の水増しという形で長期間かけて返済する旨を約束する念書に署名していた。この念書は代表取締役名義ではなく個人名義で作成され、当時の監査法人にも開示されず、社内でもごく一部の関係者しか存在を把握していなかった。
さらに、類似事案として調査対象となった別の取引先(b社)向けソフトウェアライセンス売上2,760万円についても、本来2021年3月期に計上すべき売上を2020年3月期に前倒し計上した不正な財務報告と認定されたが、こちらは経営陣の関与ではなく従業員レベルの不正とされている。
注目すべきは、この不正が発覚した経緯そのものである。前社長(B氏)が2025年11月にこの取引の不自然さに気づき監査役会に報告したが、当時の常勤監査役はこれを「昔の話」として扱い、本格調査が始まったのは2026年2月にB氏が退任した後だった。さらに当初設置された「特別調査体制」は一度「不正とは断じられない」との中間報告をまとめており、会計監査人(あおい監査法人)がこれに納得せず、より独立性の高い特別調査委員会への移行を要請したことで全容解明に至っている。
売上過大計上の絶対額自体(3,000万円)は決して大きくないが、調査・訂正に伴うコスト(約394百万円)は、当期の営業利益47百万円の8倍以上に達する。不正の規模と対応コストの非対称性が際立っている。
論評編集部は、9月30日付の決算分析記事で残した論点のうち、不正会計の内容については本件で解消したと判断する。再発防止策の実効性や代表者体制の今後については、続報が提出され次第、改めて確認する。
